コロンビアニュース

日本コロンビア協会ニュースbT2より転載


経済混乱から対内直接投資が急減
 99年の対内直接投資(国際収支べ一ス、ネット)は前年比61.5%減の11億4,100万ドルで、ピーク時の97年の56億3,900万ドルと比べ5分の1の水準に落ち込んだ。この落ち込みは、99年の国内総生産(GDP)が前年比4.3%減と68年ぶりのマイナス成長となり、深刻な経済危穣に陥ったためである。また、左翼ゲリラとの和平交渉にも進展はなく、投資家心理に悪影響を及ぼした。
 中央銀行登録べ一スの99年の対内直接投資(ネット、石油部門を除く、証券投資を除く)は前年比4.4%減の40億209万ドルであった。国際収支の対内投資と大きな差があるが、これはタイムラグも含め登録されたとおりに資金が動いておらず、また、登録頷には再投資が含まれるためである。中銀登録ベースで業種別にみると、製造業が前年比155.6%増の14億7,385万ドルと急増した。アンデス共同体、中米共同市場なども視野に入れた生産拡張投資やM&Aが欧米系企業を中心に行われた。化学品のデュポン(米国)、機械・プラントのアセア・ブラウン・ボベリ(スイス)、医薬品のゼネカ(英国)、ヘキスト(ドイツ)の化学肥料部門子会社アグレボが生産拡張投資を行った。食品関連ではフランスや米国の企業によるコロンビア企業の株式取得が進行した。さらに、メキシコ金業の動きも活発で、99年11月の不織布メーカーによるアンデス・中米市場への輸出拠点としてのカリでの工場建設や、セメント会社による市場シェア拡大を目的とした現地企業への出資、タイルメーカーの株式取得が行われた。
 また、達輪・通信・倉庫が約7.9倍の5億4,650万ドル、建設業が約5.4倍の1億1,761万ドルと大幅に伸長した。他方、98年に全体の43.8%を占めた電力・ガス・水道は55.4%減の8億1,859万ドルヘと減少した。金融・保険・不動産は金融部門の破綻や為替の切り下げなどに より、60.0%減の5億2,321万ドルであった。石油部門への投資は首年比47.7%滅の4億1,700万ドルであった。
 対内直接投資に証券投資を加えた対内投資(石油部門を除く)を国別にみると、98年には1億2,333万ドルの流出超過であった米国が製造業を中心に99年には8億2,327万ドルヘと急回復した。また、オランダが商業、製造業を中心に首年比6.0倍の8億7,593万ドルヘと急増し、最大となった。タックスヘイブンのケイマン緒島も17.8%増の6億5,961万ドルであったが、半面、パナマは前年の14億3,161万ドルから764万ドルヘと落ち込んだ。さらに、98年に最大であったスペインは99年には8,503万ドルの流出超過となった。

表1 国別・業種別対内投資額(ネット、99年)
(単位:100万ドル.%)
主要国・地域 金 額 構成此 業    種 金 額 構成比
オ ラ ン ダ 875.9 22.0 非特定活動    0,0  0.0
米     国 823.3 20.7 製  造  業 1,473.9  37.1
ケイマン諸島 659.6 16.6 電力・ガス・水道  818.6  20.6
バミユーダ諸島 425.0 10.7 運輸・通信・倉庫  546.5  13.8
バージン諸島 411.2 10.3 金融・保険・不動産  523.2  13.2
チ      リ 132.1  3.3 商      業  3 80.4  9.6
フ ラ ン ス 127.9  3.2 建  設  業  117.6  3.0
ス  イ   ス 102.7  2.6 農 水 産 業   65.8  1.7
ド  イ   ツ 101.4  2.6 サービス業   41,1   1.0
イ タ リ ア  92.4  2.3 鉱      業   35.0  0.9
日     本 17.8  0.4 証 券 投 資  △27.5 △0.7
合計(その他含む) 3,974.5 100.0 合     計 3,974.5 100.0
〔注]石油部門を除く登録額。合計には証券投資が含まれているため文中の対内直接投資額とは一致しない。
〔出所〕コロンビア中央銀行

表2対内投資額(ネット)の推移
                                        (単位:100万ドル)
95年 96年 97年 98年 99年 2000年1-6月
直接投資額
1,320.9 1,880.1 2,932.9 4,186.4 4,002.1 △451.6
証券投資額

242.2 292.2 561.8 △234.2 △27.6 0.0
合   計 1,563.1 2,172.2 3,494.7 3,952.2 3,974.5 △451.6
〔注〕石油部門を除く登録額

2000年の民営化はカルボコルだけ
 2000年に入ってからも対内投資は減少を続けている。土半期の対内直接投資(国際収支ぺ一ス)は前年同期比54.6%減の3億6,300万ドルと大幅に減少している。中央銀行登録べ一スの対内直接投資は2000年土半期で4億5,160万ドルの流出超過となっている。この流出超過は、スペインおよびチリの金業が出資しているボゴタ電力会社から大規模な資本の償還を行ったことが大きく影響した。
 民営化も2000年に入った後、ぺ一スダウンした。 2000年に実施された民営化は、10月に3億8,370万ドルで英国のビリトン、南アフリカ共和国のアングロアメリカン、スイスのグレンコア・ファイナンスからなる企業連合に株式の50%を売却した石炭公社カルボコルだけで、このほかに予定されていたボゴタ電話公社、発電公社ISAGEN、送電公社ISA、14地域の配電公社は入札手続きや治安の問題などで2001年に持ち越された。治安問題に関しては、和平交渉が進展せず、ゲリラによるインフラの爆破や誘拐など、深刻さを増した。このため、2000年七半期の対内直接投資は商業、金融・保険・不動産を除き軒並み減少した。
 対外直接投資(国際収支ペース、ネット)は98年の5億2,900万ドルから99年には一転してマイナス600万ドルとなった。 99年には為替が下落したことに加え、貸し渋りが生じるなど銀行システムが正常に機能しなくなったことが影響している。なお、2000年上半期には4,000万ドルのプラスに転じている。一方、中央銀行登録ベースでは99年の対外直接投資(ネット)は前年比40.7%減の6億1,791万ドルであった。部門別では、運輸・倉庫・通信が前年比約22.1倍の3億5,641万ドル、農林水産業が約15.5倍の2,189万ドルヘと急増している一方、金融・保険・不動産は前年実績の約10.6%相当の1億1,517万ドルヘと滅少した。製造業は前年の1億5,136万ドルの流出超過から8,893万ドルの流入超過に転じた。


新たに4都市を輸出経済特別区に認定
 2000年1月に輸出指向型投資の促進を目的として、ブエナベントゥーラなど4都市が輸出経済特別区(ZEEE)に認定された。 ZEEEでは製品・サービスの80%以上を輸出する新規投資に対して、@輸入関税、付加価値税の免除、A輸出利益に対する所得税の免除、B労働契約の弾力的適用が認められる。
 2000年7月に発効した新関税法にも、輸出額が売土高の60%以土で、過去1年間の輸出実績が200万ドル以土の輸出指向型企業に対する、@輸入手続き簡素化、A原材料への輸入関税、付加価値税の免除、B再輸出用貨物に対する6ヵ月間の保税措置などを内容とするインセンテイブが合まれている。
 日本からの対内直接投資残高は99年末時点で2億4,870万ドルと、コロンビアの対内投資残高全体の12%を占めるにすぎない。 99年の日本からの対内直接投資は1,780万ドルで、前年比55.2%減であった、部門別にみると、製造業が930万ドル、連輪・倉庫・通信が690ガドル、金融が450万ドル、建設が340万ドルとなっている。他方、鉱業、商業では資本償還があり、流出超過となっている。
 最近の具体的な投資事例では、スズキが小型乗用車の生産、販売・輸出拡大を目的としてGM傘下の自動車組立会社コルモトーレスの株式2%を取得した。また、ソニーによる直営販売拠点の開設や、資生堂の製品販売のための化粧品卸売会社との提携などがあった。

                            (ジェトロ投資白書)


コロンビアの経済状況

1.来年度法定最低賃金決定
 12月11日、政府、労働組合及び企業代表から構成される労働調停委員会は、来年1月1日から、の法定最低賃金を本年度比9.9%増の28万6千ペソ(本年度26万100ペソ)とすることで合意に達した。なお過去5年間については、本委員会における合意が得られず、大統領権限に基づき政府が一方的に法定最低賃金を定めていた。

2.本年度経済成長率
 国家統計庁発表によると、本年第3四半期(7月〜9月)の経済成長率は、3.07%(対前年同期比)、1.28%(対前期比)、また本年(1月〜9月)については、2.95%(対前年同期比)に達した。また国家金画庁によると、本年及び来年の経済成長率は各々3%ン4%の見通しとなっている。

3.来年度国債発行見通し
 11月8日、大蔵省は来年度の国際市場におけるコロンビア国債発行額予定額は12億5千万ドルであり、全額を第1四半期中に発行する旨発表した。

4.来年度経済見通し
 国家金画庁によると、来年度の経済成長率は4.1%、また国内投資は本年比実質20%増になるものと見込まれる。国内投資増加の主な要因としては、景気低迷を受けて、投資を手控えていた企業が景気が先行きに期持して、新たな投資に踏み切ることが土げられている。

コロンビアの政治状況

1.内政

(1)国会議員誘拐事件
 10月末の統一地方選挙前に発生した7名の国会議員誘拐事件につき、11月1日パラミタリーの全国組織「コロンビア自警連合(AUC)」のカルロス・カスターニョ最高司金官は、国会議員7名の誘拐を認めつつ、政府と左翼ゲリラとの和平プロセスにつきAUCとの意見交換のため政府高官の派遣を要請した。その後、政府はAUCの要請を強く拒否する声明を発表した。しかし、11月4日、ポリーバル県南部でAUC最高司令官は行政監察庁長官及び国民人権擁護官と会談し、人質解放問題を話し合うとともに、改めて政府高官の派遣を要請した。国会側の圧力もあり、11月6日・政府代表として内相がAUC最高司金官と会談した。 AUCは、政府の和平政策を強く批判しつつ、FARC収監ゲリラと人質となっている政府治安開係者の「捕虜交換」に反対の立場を強調した。会談後、AUCは、土院議員2名を解放し、翌7日には、残りの国会議員5名を解放した。

(2)FARCとの和平問題

 (イ)FARCの和平交渉凍結表明
 11月14日、FARC交渉代表は、12日付のFARC参謀本部名の声明文を読み 上げ、政府のパラミリタリー対策が不土分であることを理由に、政府との和平交 渉を凍結する旨表明した。経済界、学会、野党、立法府などは、FARCの和平交 渉凍結声明を非難する声明を表明した。和平交渉凍結の背景としては、10月下 旬の統一地方選挙直前にパラミリタリーが引き起こした国会議員7名誘拐事件の 解決過程で、内相がコロンビア自警連合(AUC)最高司金官と直接会談したため、
 FARCとして、政府がAUCに対して「政治的ステータス」を付与する可能性に反 発を表明するとの狙いがあったと見られている。


 (ロ)「緊張緩和地域」の延長
  政府の治安部隊が撤退し、事実土FARCの支配下におかれている「緊張緩和也 城」が12月6日夜に期限切れを迎える直首、政府は政令を発出し2001年1月31日 まで同地域を延長する発表を行った、また政金発生に際し、同地域の唯一の目的 は政府とFARCが和平対話を行うことであると強調した。政府は、1998年11月 にFARCとの和平交渉を実施する目的で同地城を設置し、これまで操り返し存続 期間の延長を行ってきた。しかし、11月14日、FARCが政府との和平交渉を一 方的に「凍結」したため、12月6日に期限切れを迎える同地城の延長問題が注目 を集めてきた。政府が延長期限を1月31日までとしたのは、FARCに対し和平 交渉を早急に再開させるべく圧力をかけるためであると考えられている。

(3)ELNとの和平問題

 (イ)政府とELNの会談
  11月27日、ボリーバル県南部において政府とELN代表の会談が開催された。
 支援国グループ5ヶ国(ノルウェー、スペイン、スイス、キユ一八、フランス)の 代表も同席した右会談では、2つの書類の内容について意見交換が行われた。一 つ目の書類の内容は、支援国グループが用意した治安部隊撤退地域創設に関する 提案であり、もう一つは、市民社会が用意した和平プロセスの監視体制に関する 提案であった。会談内容の詳細は明らかにされていない。

 (ロ)人質解放問題
  11月1日、ELNは、去る9月17日に引さ起こしたカリ市郊外集団誘拐事件 の残りの金人質を解放した。右解放で同事件は解決したものの、病気や怪我で人 質3名が死亡する結果となり、事件発生以来、カリ市郊外の山岳地帯で国軍が展 開してきた人質救出作戦ではしELNゲリラ15名が射殺、18名が逮捕され、国 軍3名が戦闘で死亡した。一方、99年4月に発生したELNによるアビアンカ機 ハイジャック事件は、去る11月22日、最後の人質2名が解放され、19ヶ月ぶ りに終了した。右解放により、監禁中に死亡した1名を除<金人質が解放された。
 最後の人質2名は、人質家族が直接ELNと交渉し、身代金と引き換えに解放されたが、要求額が高額であったため人質家族が支払えた金額は要求額の80%で、残りの20%を今後支払い続けることとなった。また、ELNは、11月20日、マグダレーナ川釣客集団誘拐事件(99年6月発生)の人質1名を解放し、同誘拐事件の人質は残り3名となった。

(ハ)ELN幹部の逮捕
 11月3日、国軍は、ボゴタ市南部でELN帯部の“エル・チーノ"司金官(本名ロプレス)を逮捕した。同司金官は、ELN最強のドミンゴ・ライン戦線の創設者であるとともに、同戦線の現司令官を務めている。同戦線はELN中央司令部(COCE)の和平路線に反対している最も急進的な戦線であるとともに、ELNの中で量も豊富な資金力を有する部隊で、同司金官の逮捕はELNにとり大きな経済的打撃となった。

2.外交

(1)イベロアメリカ・サミット
 11月17日及び18日、パナマにおいて第10回イベロアメリカ・サミット首脳会談が開催され、パストラーナ大統領が出席した。会議に参加した各国首脳からはコロンビアに対する米国の軍事援助の近隣諸国への悪影響につき危惧が表明された。ブラジルのカルドソ大統領は、コロンビア政府の和平達成への努力を支持するものの、コロンビアと隣国との国境地帯における麻薬取引及び武器取引につき危惧を表明し、ヴェネズエラのチャペス大統領は、コロコンビア政府とFARCの和平交渉の継続の重要性を強調した。

(2)米国政府高官の来訪
 11月19日から21日にかけて,米国のマカワリー薬物対策局長及びピカリング国務次官等がコロンビアを訪問した。滞在中、米国高官は、パストラーナ大統領、フェルナンデス外相、国軍高官、麻薬対策関係者等と会談して麻興対策等につき意見交換を行った。

(3)対ヴェネズエラ関係
 11月22日、FARC国際戦線構成員が、ヴェネズェラのカラカスで開催されたプラン・コロンビアに関する国際ワォーラムに出席したことを契機に、両国関係は悪化した。同ワォーラムはラテンアメリカ議会の主催であったが、ヴニネズエラ政府はコロンビア政府にFARC構成員の出席を事前週告していなかった。そのため、コロンビア政府は、ヴェネズエラ政府の態度を非難、駐ヴェネズエラ・コロンビア大使の召還を行なった。これを受けて、ヴェネズエラ政府も駐コロンビア・ヴェネズエラ大使の召遠を行ない、両国政府高官ボ相手国の姿勢をお互いに強く非難する状況に発展した。 l1月30日、メキシコ・シティーでフォックス墨次期大統領の同席の下、パストラーナ大統領とヴェネズエラのチャペス大統領との会談が実現した。会談自体は、「グループ3(G3)」の非公式会談の性格を有していたが、コロンビア及びヴニネズエラ両政府は、最近悪化した両国関係の正常化に務め、二国間の乳棒はある程度解消された。会談後、チャペス大統領は会談の成果に満足であった様子を見せつつ、両国関係の乳棒は過去のものとなった趣旨の発言を行った。

(4)メキシコ次期大統領との会談
 12月1日のメキシコ大統領就任式に出席するため、メキシコ滞在中のパストラーナ大統領は、11月30日、フォックス墨次期大統領と会談した.会談では、コロンビア和平プロセス、麻薬対策を中心として意見交換が行われた。また、パストラーナ大統領は米国の麻薬対策協カ国認定制度について・米国の一方的な認定制度に代わる新制度の模索の必要性に言及した。

(5)大統領の欧州訪問の中止
 FARCが和平交渉の凍結を表明したことを受けて、パストラーナ大統領は11月末に予定していた欧州歴訪を中止した。大統領は11月23日より、ドイツ、スエーデン、ノールウェーを訪問し、「プラン・コロンビア」に対する支援を要請する予定であった。
                            (外務省中南米第二課)